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北原帽子の似たものどうし

昨日書いた文章、今日の目で読み返す。にがい発見を明日の糧に。

似たものどうし

【押さえる/抑える】編集の現場から

基本的な意味 押さえる:動かないようにする 抑える:くいとめる ・現状と理由 この異字同訓は意味の重なる範囲が広いため、使い分けがむずかしい。ゲラでは「押さえる」にすべきところが「抑える」になっているケースが目立つ。また、反対の意味になる場合…

【対価/代価】編集の現場から

このふたつは同音異義語ではありません。 代価(だいか)と対価(たいか)。 「代価」の意味で、「対価」を使っているひとが多い印象がある。 たとえば「だれがその対価を払うのか」は、「だれがその代価を払うのか」である場合が多い。 ・だれがその代価(…

【解答/回答】編集の現場から

前回の使い分け【答える/応える/堪える】で「答える」にふれたので、あわせて考えてみたいのが【解答/回答】の使い分けです。 ・テスト用紙の「かいとう」欄がせまい理由 ・一発「かいとう」 ・アンケート用紙の「かいとう」欄が広すぎる 解答/回答 この…

【答える/応える/堪える】編集の現場から

あなたは「こたえる」という音を聞いたとき、どんな漢字を思い浮かべますか。 答える 応える 堪える さらっと三つともでてくる人は少ないんじゃないかと思います。きちんと使い分けている著者の方も少ない印象があります。それは、どれを使っても間違いでは…

【づく/ずく】編集の現場から

ゲラを読んでいると、前回の【づくし/ずくめ】と同様に【づく/ずく】でも「づ」と「ず」で表記が混乱しているのを見かける。漢字で「付く」なら「づく」、「尽く」なら「ずく」になる。なかでも「入院している人を力づける」のように励ますという意味の「…

【づくし/ずくめ】編集の現場から

【づくし/ずくめ】の使い分けのまえに、「ずくし」「づくめ」という書き方はないことを、まず知っておくこと。「づくし」「ずくめ」が正しく、辞書ではこの表記で載っている。 それでは本題の使い分け。わたしは今でも迷うときがある。うろ覚えでやると間違…

【薦める/勧める】編集の現場から

「すすめる」は、「薦める」と「勧める」で迷うときがある。「薦める」のほうがなじみがあるかもしれない。オススメ商品の意味で、よく見かける。もう一方の「勧める」はどうだろう。ときどき見かけるかんじかな。普段から「勧める」を使えるひとは言葉に意…

【悲壮/悲愴】編集の現場から

「ひそう」は、つながる言葉が例えば「あふれる」のか「ただよう」のかで、あてる漢字が変わってくる。あふれるなら「悲壮」、ただようだと「悲愴」になる。 悲壮感あふれる表情(勇ましいの意味) 悲愴感ただよう表情(痛ましいの意味) のようになる。ゲラ…

【渡る/亘る】編集の現場から

〜は長期に渡る 〜は広範囲に渡る 〜は多岐に渡る 公私に渡り〜 細部に渡り〜 上のような使い方は、テレビの画面などではよく見かける。しかし使い分けるのなら、これらはすべて正確には「亘る」のほう。「亘る」をつかうところで「渡る」になっているのが常…

【伺う/窺う】編集の現場から

・伺う 聞く、尋ねる、訪ねるの謙譲語 ・窺う 様子をみたり、機会をねらったりすること ゲラでの指摘では「伺う」を「窺う」に直すときが多い印象。たとえば「顔色を伺う」としているのをよく見かける。おそらく一般的に「窺う」の存在感がうすいんだろう。…

【半面/反面】編集の現場から

よくあるのが、「半面」をつかったほうがよいところで「反面」にしている例。とくに接続詞的につかう場面では気を配りたい。著者の方でも、きちんと使い分けているときが少ない印象がある。そんな似たものどうし。 ・「片方で」「一方で」の意味でつかう場合…

【お話をする/お話しする】編集の現場から

意外と知られていない、送りがなの有無について。取り上げるのは「おはなし+する」の使い方。どういう場合におはなしの「し」をおくるのか、おくらないのか。表現のしかたは決まっていて、多くの著者も下記のように使っている。参考に。 ・【お話】が名詞の…

【震える/振るえる】編集の現場から

変換ミスの典型。誤りで多いのが、「震える」の意味で「振るえる」としてしまうケース。「振るえる」という文字列が、小刻みに動くこととの親和性を感じさせるのかもしれない。「ふるえる」と打つと推測変換で「震える」が第一候補で必ずくるようにできない…

【うまれる/うむ】編集の現場から

この2つは使い分けが難しい。というか、明確に区別するとうまくいかない場合がある。それでも指針は必要だろうから、示しておきたい。基本、【うまれる/うむ】は、その表現が自動詞なのか他動詞なのかで使い分けるとよい。「〜が生まれる」「〜を産む」と…

【不信/不審】編集の現場から

似たものどうしのなかには、後ろに付く動詞でどちらか決まってくるものがある。【不信/不審】は、その典型。「買う」とあれば前には「不審」、「招く」が後ろにあれば「不信」のほうでなくてはいけない。「不審を買う」「不信を招く」となる。つまり、あや…

【例えば/喩え・譬え/仮令】編集の現場から

この3つのちがいは区別しておきたい。どういうときに、どの漢字をつかうべきか。まず「〜にたとえると」というとき、漢字は「喩え」か「譬え」をつかう。これを「〜に例えると」としているケースが多い。また仮定を強調するさいの「たとえ〜でも」というと…

【身に着ける/身に付ける】編集の現場から

この2つ、使い分けている著者は多い。衣服・アクセサリー類は「身に着ける」で、学問・知識などは「身に付ける」としている。ちなみに、衣服は「着ける」、アクセサリー類は「付ける」で分けているひとはあまりいない。学問・知識を「付ける」にすれば、ア…

【要件/用件】

「用件」と書くべきところで、「要件」にしているミスが少なくない。一般的なシーンでは「用件」を使う場合が多い。「要件」は法律的な場でもちいる用語で、専門的だ。「要件」は「条件」と置き換えてみてもよい。「ヨウケンはなんだ?」では、前後の文脈で…

【速攻/即行】

「即行」を使うべきところを「速攻」にしている例が目立つ。「すぐにやる」「すぐに駆けつける」の意は、「即行」が正解。「速攻」の使用は、本来はスポーツなどで限定的なもの。

【懸命/賢明】

間違えそうにない気がするが、よく目にする。「懸命に〜する」はあまり問題ない。気をつけたいのは「〜するのは賢明だ」を「〜するのは懸命だ」と書いて気がつかないパターン。ほとんどがこれ。逆はあまり見ない。

【上げる/挙げる】

迷うからといってひらがなにすると、誰かに何かをギブするの「あげる」になるので避けたいところ。それではどうすればよいのか。よくあるのが会社での場面。課題、問題などを「アゲル」とき、どうすればよいのか。微妙ですが、こんな感じ。報告として「アゲ…

【耳触り/耳障り】

この2つは、「耳触りのよい音楽」「耳障りな音」のように使い分ける。【耳触り】自体には価値判断は含まれていないが、【耳障り】は不快という感情入り。なので、「耳触りな」「耳障りの悪い」という表現はNGとなる。書いているシーンで、どちらの「みみざ…

【叶う/適う】

「適う」とすべきところ、「叶う」が使われていることがよくある。「〜にかなう」とくれば、それは「叶う」ではなく、「適う」ではないかと疑うべき。理にかなう。目的にかなう。お心にかなう。御眼鏡にかなう。すべて「適う」が正解。

【撥ね返す/跳ね返る】

〜を跳ね返す、という使い方を普通に見かける。「〜が」とくれば、跳ね返る。「〜を」とくれば、撥ね返す。自動詞と他動詞の違い。「撥ねる」と「跳ねる」についても同様。

【望む/臨む】

「〜をのぞむ」なら「望む」、「〜にのぞむ」なら「臨む」と使い分けることができる。迷うのは水辺のときだけ。海を望む城(海と城の距離が遠い)。海に臨む城(海と城は近い)。両方ともあり得る表現だから、わからなくなるのは当然。

【恐れ/虞】

「虞」の意味で、「恐れ」と書くことが常態化している。「オソレ」を可能性の意で使うときは、正確には「虞」とするべきである。しかし昨今あまり見かけない。漢字にすることに抵抗がある人は、「〜のおそれがある」とひらがなにしてはどうか。

【捕まえる/掴まえる】

「掴む」のときではなく「掴まえる」のときに、「捕まえる」と混同するのがポイント。「掴まえる」と書くべきところを「捕まえる」にしてしまうことが多い。どちらともいえないこともあり、考えるとわからなくなるときも。そんなときはひらがなで書くという…

【別れる/分かれる】

「別れる/分かれる」での間違いの見過ごしは、実際は「別れて/分かれて」「別れた/分かれた」で発生しやすい。その中でもよくあるのは「分かれた」と書くところを「別れた」にしてしまうこと。書く行為から読む状態に移らないと気づかない間違いのひとつ。

【関わらず/拘らず】

「~にも関わらず」「~に関わらず」という表現がメディアではやたらと目にする。PCで変換するとそう出てくることが多いからか。しかしこれは明らかに間違い。「~にもかかわらず」「~にかかわらず」とひらがなにするべきである。漢字にすると「拘らず」と…

【自任/自認】

「自任している」(自分がふさわしいと思う、自負している)と書くところを、「自認している」(事実を自分が認める)としているケースがとても多い。「辞任する」ということばの存在も影響しているのかもしれない。ポジティブなときは「自任」、ネガティブ…

【弥が上にも/否が応でも】

「弥が上にも」=(ますます)の意味で使いたいのに、(なにがなんでも)=「否が応でも」と書くひとが多い。さらにいうと、「否応なしに」=(むりやりに)が加わると、いやがうえにも、混乱は深まる。