【づくし/ずくめ】の使い分けのまえに、「ずくし」「づくめ」という書き方はないことを、まず知っておくこと。「づくし」「ずくめ」が正しく、辞書ではこの表記で載っている。
それでは本題の使い分け。わたしは今でも迷うときがある。うろ覚えでやると間違う。だから、かならず手許にある辞書で確認するようにしている。それは心から納得していないからかもしれない。とはいえ、辞書ごとに使い分けの記載がまちまちということはない。迷ったらためらわずに確かめよう。
ポイントは、最初に指摘したように、漢字で「尽くめ」と書くからといって、読みが「づくめ」にはならないということ(「ずくめ」になります)。もうこれは「そういうもの」として慣れていくしかない。下記に使用例をしめす。
*づくし(同じようなものをすべて並べ挙げるという意味でつかう)
使用例
・花尽くし(づくし)
・ないない尽くし(づくし)
*ずくめ(すべてがそうであるという意味でつかう)
使用例
・黒尽くめ(ずくめ)
・いいこと尽くめ(ずくめ)
これに関連して、使用頻度の高いほかの「づ」「ず」そして「ぢ」「じ」(ひっくるめて「四つ仮名」という)をふくむ言葉も覚えておいて損はない。
使用例
・「愛想尽かし」は、あいそづかし(×あいそずかし)
・「稲妻」は、いなずま(×いなづま)
・こぢんまり(×こじんまり)
・「地頭」は、じあたま(×ぢあたま)
*2017年3月30日 加筆修正しました
Amazon.co.jp: 文章の手直しメソッド: 〜自分にいつ何をさせるのか〜 eBook: 北原 帽子: Kindleストア