基本的な意味
押さえる:動かないようにする
抑える:くいとめる
・現状と理由
この異字同訓は意味の重なる範囲が広いため、使い分けがむずかしい。ゲラでは「押さえる」にすべきところが「抑える」になっているケースが目立つ。また、反対の意味になる場合もあり、注意が必要な他動詞どうしのペアです。
・対処
基本的な意味から派生して、押さえるには「とらえる」(プラス)の意味がある。抑えるには「抑制」(マイナス)の意味がある。このように反対の意味になる場合の使い分けは、下記の例を参考にしてください。
売れ線を押さえた品ぞろえ(◯:売れ線がある)
売れ線を抑えた品ぞろえ(△:売れ線はあまりない?)
酸味を押さえた仕上がり(△:酸味がある?)
酸味を抑えた仕上がり(◯:酸味はあまりない)
おくりがなにも注意したい。押さえるは「さ」をおくりますが、抑えるは「さ」をおくりません。
使い分けに迷う場合には、どのようなときでも「おさえる」とひらがなで書くとよいです、とはいきません。なぜなら、上記のように反対の意味になるときがあるからです。漢字にしないといけないペアもあるのです。どちらの漢字をつかうのがふさわしいか、文脈から判断してください。