北原帽子の似たものどうし

昨日書いた文章、今日の目で読み返す。にがい発見を明日の糧に。

『気づけなかった同音異義語 Kanji and Typos』編集後記

 

このたび、ブログ「北原帽子の似たものどうし」の記事をもとに、新しく編集しなおしたものをkindle本として電子書籍化しました。『気づけなかった同音異義語 Kanji and Typos』というタイトルです。

今回、企画段階ではピックアップする項目の数で悩みました。30個のペアでは少なくないか、と。辞書に載せる項目数とくらべると、話になりませんよね。そこで、項目を「みんなの失敗エピソード」の数ととらえたら、どうだろうと思いました。誰もなるべくなら自分のミスは見たくないもの。でも、他人がやったミスだったらすこし興味がわくのではないか(ほめられた動機ではありませんが)。ピックアップする数が多いと記憶にも残りづらい。そう考えたら、気持ちがすこし軽くなりました。

本文のなかでは、みんなの「公約数的ミス」という表現を用いて、本書を書くきっかけを説明しました。散らばりつづけるみんなが気づけなかったことばを、どう整理してまとめたらよいだろう。入力時、流れのなかで見過ごしがちなこと、どうしたら気に留めてもらえるだろう。

編集作業で心がけたことは、以下のふたつです。

・実用的であること
わたしが知り得たことを、わたしで止める理由はありませんでした。自分のなかにある集合知っていえるのかな。たまっているノウハウは(社会のなかの)個人に流して(戻して?)いこうと、そう思いました。本書で取り上げたことばがよくあるケースに当たるのかどうかは、わたしの経験から得た判断です。もちろん一個人のチョイスなので、かたよりがあることは否めないでしょう。別のひとがやったら、ちがうラインナップになったと思います。とはいえ、編集実務者としてくりかえし同じ指摘をしてきたことばのペア群であることは確かです。実際のミスの出方はネットで検索してもほとんど出てきません。ここが本書の価値だと信じてまとめ作業をしてきました。ちなみに、仕事でわたしが見逃したものも当然はいっています。(あとから気づけた)自分が拾えなかった同音異義語ミスのメモを並べながら、公約数的ミスの仲間に入れるかを考えました。

・簡潔であること
目次から気になった似たものどうしのペアを早く引けるように、構成の階層は少なくしました。たどりついた項目先では約物(文字や数字以外の記号)を多く配置し、視覚的なわかりやすさに工夫をこらしました。次の項目にサクサクすすめるように、文章は簡潔であることを心がけました。

本書を活用した人の何人かでよいのですが、文章を書く際、同音異義語になやまされる時間が減り、内容に集中できるようになれば幸いです。

 

 

気づけなかった同音異義語: Kanji and Typos