あなたは「こたえる」という音を聞いたとき、どんな漢字を思い浮かべますか。
答える
応える
堪える
さらっと三つともでてくる人は少ないんじゃないかと思います。きちんと使い分けている著者の方も少ない印象があります。それは、どれを使っても間違いではない場合が多いからかも。しかし、編集の現場ではしっかり区別できる部類の似たものなので、ここで覚えてしまいましょう。ざっくりいえば、「答える」が一般的なので、他の二つの場合がどんなときかを知ればよい、というはなしです。
あなたの期待にこたえたい
暑さがこたえる毎日だ
あの状況でよくもちこたえたね
これはこたえられない旨さだ
上記の使い分けができれば、似たようなほかの場面でも応用ができますよね。実際どのような使い分けがされているのか、簡単にみていくことにします。
まずは、【答える/応える】の混同です。応じる、報いるという意味で応えるとすべきところ、答えるが使われているケースが実際には多い。
・期待、要望、声援などはすべて「応える」にしています(「答える」でも間違いというわけではないが)→あなたの期待に応えたい
次に、【応える/堪える】の混同。強く感じるという意味で応えるを使うところ、堪えるになっている場合が少なくない。
・暑さ、寒さは「応える」にしています(「堪える」でも間違いというわけではないが)→暑さが応える毎日だ
最後に、「堪える」のほうで知っておいてほしい用例は、以下の二つ。それぞれ、維持する、がまんする、という意味から派生したもの。
・維持するという意味から→あの状況でよく持ち堪えたね
・がまんするという意味から→これは堪えられない旨さだ(否定形で使われるのが慣用)
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