基本的な意味
迎える:人や物事がやってくるのをこちらが待ち受ける
向かえる:相手がいる方向や物事のある方向へ進められる
現状
変換時に起こるうっかりミス。一般的に「迎える」の使用頻度が高いので、多くは「迎えて」と打つときに「向かえて」としてしまう。つまり「迎えて」がふさわしい文脈で「向かえて」にしてしまうケース。また、使用頻度が少ないながらも「向かえて」がふさわしい文面で「迎えて」にしてしまうときも、同様に間違いに気づきにくい印象です。
理由
「迎える」と「向かえる」は、「相手(or物事)/自分」と「来る/行く」という概念に関係する語です。上記の基本的な意味にあるように、このふたつのベクトルは逆です。ベクトルが逆なのに間違えてしまうのは、矢印の方向が違うだけで、大枠は同じ土俵だからですね。
対処
使い分けには、以下の2つのポイントがあります。
1. パターンを知る
2. ベクトルを意識する
具体的な使用例のパターンは、以下の通りです。
・「迎える」の使用例(~を迎える)
駅で友人を迎えてから車で一緒に行く予定だ
新年を迎える準備はできている
彼は野球人生のピークを迎えている
・「向かえる」の使用例(~に向かえる)
待ち合わせの約束をした友人がこちらに向かえていないらしい
事態は収束に向かえていると思っていた
病状がいい方向に向かえている感じがしない
おさらいします。異字同訓である今回の「迎える」「向かえる」は、入力変換するときに起こるのが特徴です。つまり手書きではあまり起こりづらいように思います。お互い間違った連想をさそう語として存在しているので、パターンとベクトルを意識して、うっかりミスを減らすようにしましょう。