北原帽子の似たものどうし

昨日書いた文章、今日の目で読み返す。にがい発見を明日の糧に。

2014-01-01から1年間の記事一覧

【懸命/賢明】編集の現場から

●基本的な意味懸命:力のかぎり賢明:かしこく問題に対処できるようす ・現状似たような意味ではないので間違えそうもない気がするが、よく目にする。「懸命に〜する」のときはあまり問題ない。気をつけたいのは「〜するのは賢明だ」を「〜するのは懸命だ」…

【上げる/挙げる】編集の現場から

・現状「上げる」を「挙げる」にしているケースがよくある。ほとんどが手をアゲル場合。うっかりミスのひとつです。 手を上げる(一般的)手を挙げる(限定的:挙手に類する、自分の意思をあらわすとき) とおぼえておくとよい。 ・理由易しい漢字だとノーマ…

【耳触り/耳障り】編集の現場から

●基本的な意味耳触り:聞いた感じ、印象耳障り:聞いて不快に思うようす ・現状このふたつ、「耳触りのよい音楽」「耳障りな音」のように使い分ける著者が増えている印象があります。 ・理由昭和の書きものでは、この使い分けの事例はあまり見かけたことがな…

【叶う/適う】編集の現場から

●基本的な意味叶う:望んだことが実現する適う:あてはまる ・現状「適う」とすべきところ、「叶う」がつかわれていることがよくある。 ・理由つかわれる機会は多いのに、「適う」の存在感がうすい。字画が少ない「叶う」にひっぱられてしまうのかもしれない…

【撥ね返す/跳ね返る】編集の現場から

●基本的な意味跳ね返る:反動で、元のところにもどってくる撥ね返す:押しもどす。つきかえす ・現状「〜を跳ね返す」という使い方を普通に見かける。微妙なケースもあり、うまく使い分けている人が少ない印象。 ・理由PCで「はねかえす」と入力して、「撥ね…

【望む/臨む】編集の現場から

・現状これから起こる、これから始まるというイメージでこの2つは共通するところがある。世間的に「臨む」の存在感がうすい印象がある。編集の現場では、「望む」を「臨む」に直す場面が多い。 ・理由「望む」の意味に意志がふくまれているからか、「臨む」…

2014年の本屋大賞、受賞作が決定!

大賞 『村上海賊の娘』上・下 和田竜/著 新潮社

【恐れ/虞】編集の現場から

●基本的な意味恐れ:こわいと感じること虞:良くないことがおきる可能性。心配 ・現状「オソレ」を可能性の意味で漢字をつかうときは、正確には「虞」とするべきである。しかし昨今あまり見かけない。「虞」の意味で、「恐れ」と書くことが常態化している。…

【捕まえる/掴まえる】編集の現場から

●基本的な意味捕まえる:手で押さえ、逃げないようにする掴まえる:手でしっかりと持つ ・現状「掴む」のときではなく、「掴まえる」のときに混同するのがポイント。「掴まえる」と書くべきところで「捕まえる」になっていることが多い。 ▼例文掴まえる:相…