北原帽子の似たものどうし

昨日書いた文章、今日の目で読み返す。にがい発見を明日の糧に。

新刊発売『文章の手直しメソッド 〜自分にいつ何をさせるのか〜』

 

北原帽子です。

本日、わたしの電子書籍がアマゾンから販売開始されました。

本にするために昨年から書いていた文章が、かたちになりました。

タイトルは『文章の手直しメソッド 〜自分にいつ何をさせるのか〜』。

 

ある意味で今回の執筆は、本の内容をそのまま実践していくというメタ作業でした。日頃、著者の方の文章を読むことが仕事であるがゆえ、書く側から見る風景はいつもと違うものでした(書くって面白くもありしんどい作業。精神的な面での余裕と編集筋肉がすこし増えたと思う)。

 

書くきっかけは、漠然とした確信のようなものから。世の中に足りていない大事なことを自分がもっているんじゃないかと。編集の方向性、指針のようなものは以下の二つ。これは構想段階から決めていました。

 

・実用的であること

・具体的すぎないこと

 

どうなるかわからなかったけど、なかなかニッチな要求を自分に課してみたのです。振り返ると、これを設定することで、長い助走となる「序章」をおくアイデアと決断ができたと思います。

 

下記のリンク先、Kindleストアにあるこの本の特色や目次を見てもらって、興味をもったら是非ご購入を。そして読んだ感想、ご批判などいただけるとうれしいです。読者からのフィードバックで、著者とその本はさらに大人になれると思っています。お寄せは、ツイッターhttps://twitter.com/kitaharaboushi)、ストア、本の奥付に明記されているメールアドレスなどから

 

そうそう、電子書籍スマートフォンでもPCでもアプリをダウンロードすれば読めますので(私は端末「キンドル」がなくても読めること、最近まで知らなかったわ〜)。冒頭だけですが、無料サンプルなるものもKindleストアにおいてあります。もろもろよろしくです。

 

どうして当たり前のことが実行にうつせないのだろう。日頃そんなこと、思ったことありませんか? それは効率を優先している脳の副作用だったりします。ある意味、私たちの脳は柔軟すぎるのです。ではどうすればいいのか。てっとりばやくいえば、「大事なことほど、効率優先にしない」ということ。

 

次回から、そんな意識づけを軸に、私たちのライティング事情を3回に分けて紹介。新刊本の内容とからめながら、つらつらと書いていこうと思っています。お楽しみに。

 

Amazon.co.jp: 文章の手直しメソッド: 〜自分にいつ何をさせるのか〜 eBook: 北原 帽子: Kindleストア

 

 

『みんなのセルフ文章ワーク(仮)』目次

 

はじめに
○ねらい
 ●文章を書くのに手順は必要なのか


序章【本書理解の前提】
○本書を書く動機
 ●暮らしにみる手順
 ●すべてを自分だけでやってみる
○文章ワークの実際、概要と凡例
 ●文章ワークとは
 ●4つの作業ステップ
 ●本書メソッドの適用範囲
 ●本書の読み方
○私たちの課題と対策
 ●自分の文章の読み手になるために
 ●行為と状態の使い分け
おさらい


第1章【書く】(種をまく)直すための準備をしよう
○準備の準備
 ●何を使って文章を書くのか
○言葉起こし
 ●社会からのインプット、思考のアウトプット
 ●まずは目次をつくろう
○読まれるものを書くこと
 ●書くときの心がまえ
○書き手推敲
 ●推敲は、書き手推敲と読み手推敲とに区別する
 ●寄り添う推敲
 ●私たちは書いていない
おさらい


第2章【寝かす】(休みをはさむ)一度にやろうとしない
○リセット時間
 ●しないことをするという選択
 ●不作為が機能して用をなす
 ●そういうもの
○編集ワークフロー
 ●文章ワークはもの作り
 ●立ち返る場所、本づくりの現場
 ●本づくりのワーク哲学
○個人視点の文章ワークへ
 ●本人リスクをいかにカバーしていくか
○文章本位
 ●謙虚さをもたざるを得ない
 ●品質が高まる
 ●長期的な視野に立つ
おさらい


第3章【直す】(手入れをする その1)書いたということは一旦忘れよう
○書かれたものを読むこと
 ●「状態」読みの世界
 ●自分の現在位置、ステータスの把握
 ●ライティングが完成にいたりにくい理由
 ●行為を状態で確認する
 ●みんな同じようなところでミスをする
 ●文章の環境を変えてみよう
○読み手推敲
 ●直すときの心がまえ
 ●向き合う推敲
 ●「他人の目」の獲得
 ●内容の更新、文章はレゴブロックではない
○内容のチェック
 ●事実に関する間違いがないかどうか
 ●引用・商標・差別表現について
○削るということ
 ●何のために削るのか?
 ●輪郭をあたえる
 ●削ったゴミがでる
おさらい


第4章【整える】(手入れをする その2)意味からはなれよう
○掃除と仕上げ
 ●整えるときの心がまえ
○媒体への最適化
 ●配慮する3つの要素
○そろえるということ
 ●日本語文章の特徴
 ●見た目と再利用性
 ●デジタル環境のメリット
○文章ワークの先の世界
 ●社会へのアウトプットに向けて
おさらい


終章【まとめ】
○文章の価値
 ●すべてを自分だけでやってみる(再び)
 ●守ることと広まること
おさらい


*参考図書一覧(ただし、本文引用図書を除く)


おわりに
 ●あなたがもっている知恵の実

 

追記

タイトルは、正式にはこちらになりました。

Amazon.co.jp: 文章の手直しメソッド: 〜自分にいつ何をさせるのか〜 eBook: 北原 帽子: Kindleストア

目次の内容に変更はありません。

 

 

 

『みんなのセルフ文章ワーク(仮)』執筆中

 

年末ではなく、今頃になって2014年を振り返っている。

あった出来事。出会った人、出会えなかった人。もらったもの。あげたもの。行った場所、行けなかった場所。手に入れたもの、手に入れられなかったもの。

前年を頭に浮かべることで、今年のはじまりを実感しているのかもしれない。

 

北原帽子です。 

現在『みんなのセルフ文章ワーク(仮)』というタイトルで、本を執筆中です。

順調にいけば、今春には出せる予定です。

出版編集の現場で得た知恵を、わかりやすくまとめたものです。

以下に、本の特色、どんな方を対象にしているのか、この本の効果を簡単ではありますが、載せておきます。

 

 

本書は、文章をつくる際の手順、段取りに特化したコンパクトなガイド本です。

*ライティング術、文章力に関する本ではありません。ご注意ください。

 

特色

ライティングのための作業工程【書く】【寝かす】【直す】【整える】を見える化し、その履行の利点を解説します。

見える化で、デジタル環境で起こりやすいヒューマンエラーへの対策ができます。

見える化で、もの作りマインドが刺激され、言葉や文章の手直しが進みます。

 

対象

本書は、自力で完成度のある文章を目指す人、質の高い文字コンテンツをつくりたいと思っている人、書きミスが多いと悩む人などを念頭においています。

年齢・職業、文章の種類・長さは問いません。

 

効果

手順を踏むことで、書いて残っていた誤記が拾えるようになり、文章品質も向上します。

 

 

次回は、この本の「目次」を紹介できたらよいと思っています。

 

追記

タイトルは、正式にはこちらになりました。

Amazon.co.jp: 文章の手直しメソッド: 〜自分にいつ何をさせるのか〜 eBook: 北原 帽子: Kindleストア

本の特色、対象、効果に変更はありません。

 

 

【要件/用件】編集の現場から

●基本的な意味
要件:必要な条件
用件:用事の内容


・現状
「用件」と書くべきところで、「要件」にしているミスが少なくない。うっかりミスの典型。


・理由
「要件」のほうには、たいせつな用事という意味もあるのですが、あまり出番はありません。法律的な用語でつかわれる場合が多く、限定的です。


・対処
一般的なシーンでは「用件」をつかう場合がほとんど。「要件」は「条件」と置き換えてみてもよい。「ヨウケンはなんだ?」では、前後の文脈でどちらか変わってくる。

 

 

 

*2019年1月31日、加筆修正しました

 

気づけなかった同音異義語: Kanji and Typos
 

 

【速攻/即行】編集の現場から

●基本的な意味
速攻:相手の態勢がととのう前に、すばやく攻めること
即行:すぐに行うこと


・現状
「即行」をつかうべきところで「速攻」にしている例が目立つ。まかり通っている同音異義語ミスのひとつ。


・理由
書きことばとして、実際「即行」をつかうべきケースは多いのに、スポーツ観戦などの耳からの情報で「速攻」がうかぶのではないか。つまり「即行」の認知度が低いことが挙げられる。「即行」を載せていない辞典が少なからずあるのも影響しているかもしれない。


・対処
「そのとき、すぐにやる」の意ならば、「即行」がふさわしい。「速攻」の使用は、本来はスポーツなどで限定的なもの。


▼例文
即行:「即行でフラグが立ちそうな駄目ゼリフだね」
速攻:相手チームの攻撃をしのいだ後、カウンターから速攻で点を入れた

 

 

 

*2019年1月30日、加筆修正しました

 

気づけなかった同音異義語: Kanji and Typos
 

 

【懸命/賢明】編集の現場から

●基本的な意味
懸命:力のかぎり
賢明:かしこく問題に対処できるようす


・現状
似たような意味ではないので間違えそうもない気がするが、よく目にする。「懸命に〜する」のときはあまり問題ない。気をつけたいのは「〜するのは賢明だ」を「〜するのは懸命だ」と書いて、気がつかないパターン。


・理由
「懸命」の存在感が圧倒的なので、「賢明」のつかいどころでもってこれない。


・対処
「賢明」の存在を意識する。入力時、変換でのうっかりミスに注意です。

 

 

 

*2019年1月29日、加筆修正しました

 

気づけなかった同音異義語: Kanji and Typos
 

 

【上げる/挙げる】編集の現場から

・現状
「上げる」を「挙げる」にしているケースがよくある。ほとんどが手をアゲル場合。うっかりミスのひとつです。


手を上げる(一般的)
手を挙げる(限定的:挙手に類する、自分の意思をあらわすとき)


とおぼえておくとよい。


・理由
易しい漢字だとノーマークになりやすいのか、書き分けの判断がにぶる傾向にある。とくに訓読みの似たものどうしは注意が必要。


・対処
迷うからといってひらがなにすると、誰かに何かを与えるときの「あげる」になるので避けたいところ。下記の例を参考に。


手をアゲル以外でよくあるのが、会社での場面。課題、問題などを「アゲル」とき、どうすればよいのか。微妙なときもあるのですが、こんな感じ。報告として「アゲル」場合は「上げる」で、意見・列挙として「アゲル」場合は「挙げる」。


▼例文
上げる:「それでは問題があれば、早めに上げるように」
挙げる:「それでは一人ずつ、問題を挙げていってくれ」

 

 

 

*2019年1月28日、加筆修正しました

 

気づけなかった同音異義語: Kanji and Typos