北原帽子の似たものどうし

昨日書いた文章、今日の目で読み返す。にがい発見を明日の糧に。

アウトロダクション 〜推敲の終えどきをさぐる〜

イントロダクション、そして4回に分けて考えてきた推敲の終えどきに関する分類を振り返ります。

 

進捗について

iPhoneのデフォルトアプリ「テキストエディット」に、新規で「推敲の終えどきをさぐる」と入力したと思う。昨年の11月のことだ。ある話題に対して自分がどれほど興味があるのかときどき試す。年が明けて、この興味は映画『イコライザー』での「完璧より前進」というフレーズをきっかけに動き出した。

2月初め、ケース分類の元となる時間と削りの類型を簡単に表にした。テキストエディットからオープンソフトLibreOfficeWriter)への移行は2月末。このあたりが、全体を固めていくための舵を切るタイミングになった。詳細が詰められていないところがまだらにある時期には、途中アウトライナーで階層をつくり、構成などを確認した。

わたしはこの一連の記事を、半分は思いつくまま無邪気に、半分は自分のプロセスに対するこれまでの理解を更新できたらいいという思いで書いた。それはケース分類として実を結び、3月下旬から週一度のペースで公開していった。プロの書き手なら数日で書いてしまう分量だったかもしれない。

 

 

4つのケース分類の内容

 

・時間的な制約がない場合

1.削れない→寝かせる

削れるようになったら、2.

2.削れる→手直し

終えられるようにするため、3.

 

・時間的な制約がある場合

3.削れる→削る(推敲の終えどき)

4.削れない→お手上げ(悪いほう)or推敲の終えどき(良いほう)

 

 

書きながら気づいたのですが、推敲の終えどきを区別するケース分類が、推敲を終えるまでのゆるやかなステップになっていました。

1.寝かせる→2.手直し→3.削る

の順序で完成の手前に行きつきます。

自分の立ち位置を確認する際に活用してみてください。といっても、実際はそんなにうまくいくはずがありません。うまくいくはずはないのだけれど、うまくいかないと思うきっかけにはなるかもしれません。

 

おさらいも兼ねて、それぞれのケースでやってはいけないことを列挙しておきます。

 

1.時間があるのに寝かせないこと

2.自覚できたことをそのまま放置すること

3.削れるのに削らないこと

4.うまくいかなかったとき、振り返りを怠ること

 

収穫について

文章は常に最適を求めている。推敲の終えどきをさぐるなかで「完璧より前進」が意味するものは、自分のプロセスに対するこれまでの理解を更新するうえでも、何歩か前進した。

この一連の記事も、生まれた文章がたどるプロセスのパターンからのがれることはなかった。自分のプロセス理解を更新するなかで鮮明になったのは、自分が時間を駆使して思考を行ったり来たりするタイプということだった。書いたことばを直すことで新たな理解を得る。書きさしの文章に手を加える作業自体がわたしにとっての書くことで、その書くことがたのしいと思える瞬間が何回かあった。

それは、削りに覚悟はいらないこと(ケース1.)に気づいたときであり、二通りある削れないの理解(ケース4.)が深まったときであり、今回書き上げてみた収穫となった。

一方、いつどのように自身に制約をかけていくかの判断のむずかしさも再認識した。とはいえ、記事をアップするたび、その感覚に迷いはなくなっていった気がする。書いてきた文章と自分の気持ちの組み合わせで、舵を切るタイミングはうまれていた。

文章を書きはじめるとき、どんな内容になるかは読めないし、プロセスに必要だと思う時間も読めない。それでもわたしの不安は次第にやわらいだ。その都度「ここまで来たか」を繰り返し、文章の成長をしっかり実感できたからかもしれない。

 

コラム〜推敲の終えどきをさぐる〜は、今回で終了です。一連の記事は参考になりましたか? 推敲が終われば、次に整える作業が待っています。

 

 

 

*2021年5月10日 加筆修正しました