北原帽子の似たものどうし

昨日書いた文章、今日の目で読み返す。にがい発見を明日の糧に。

【うまれる/うむ】編集の現場から

この2つは使い分けが難しい。というか、明確に区別するとうまくいかない場合がある。それでも指針は必要だろうから、示しておきたい。基本、【うまれる/うむ】は、その表現が自動詞なのか他動詞なのかで使い分けるとよい。「〜が生まれる」「〜を産む」と…

【不信/不審】編集の現場から

似たものどうしのなかには、後ろに付く動詞でどちらか決まってくるものがある。【不信/不審】は、その典型。「買う」とあれば前には「不審」、「招く」が後ろにあれば「不信」のほうでなくてはいけない。「不審を買う」「不信を招く」となる。つまり、あや…

【例えば/喩え・譬え/仮令】編集の現場から

この3つのちがいは区別しておきたい。どういうときに、どの漢字をつかうべきか。まず「〜にたとえると」というとき、漢字は「喩え」か「譬え」をつかう。これを「〜に例えると」としているケースが多い。また仮定を強調するさいの「たとえ〜でも」というと…

【身に着ける/身に付ける】編集の現場から

この2つ、使い分けている著者は多い。衣服・アクセサリー類は「身に着ける」で、学問・知識などは「身に付ける」としている。ちなみに、衣服は「着ける」、アクセサリー類は「付ける」で分けているひとはあまりいない。学問・知識を「付ける」にすれば、ア…

私たちが文章にしていくこと 第三便

北原帽子です。 三回に分けて、「私たちが文章にしていくこと」と題して、手直しについてのコラムを書いています。 各回の内容は、以下のようなものです。 第一便 「行為」読み 第二便 「状態」読み 第三便 デジタル環境 今回は、第三便。デジタル環境という…

私たちが文章にしていくこと 第二便

北原帽子です。 前回から三回に分けて、「私たちが文章にしていくこと」と題して、手直しについてのコラムを書いています。 各回の内容は、以下のようなものです。 第一便 「行為」読み 第二便 「状態」読み 第三便 デジタル環境 今回は、文章がかたちをなす…

私たちが文章にしていくこと 第一便

北原帽子です。 わたしは発売をひかえた新刊本のゲラと日々向き合っています。おもに文章の品質を高める作業をしています。書かれたものは、大人へと成長する過程でどのような変化をしていくのか。そのプロセス自体がもつ価値を伝えていけたらと思っています…

新刊発売『文章の手直しメソッド 〜自分にいつ何をさせるのか〜』

北原帽子です。 本日、わたしの電子書籍がアマゾンから販売開始されました。 本にするために昨年から書いていた文章が、かたちになりました。 タイトルは『文章の手直しメソッド 〜自分にいつ何をさせるのか〜』。 ある意味で今回の執筆は、本の内容をそのま…

『みんなのセルフ文章ワーク(仮)』目次

はじめに○ねらい ●文章を書くのに手順は必要なのか 序章【本書理解の前提】○本書を書く動機 ●暮らしにみる手順 ●すべてを自分だけでやってみる○文章ワークの実際、概要と凡例 ●文章ワークとは ●4つの作業ステップ ●本書メソッドの適用範囲 ●本書の読み方○私…

『みんなのセルフ文章ワーク(仮)』執筆中

年末ではなく、今頃になって2014年を振り返っている。 あった出来事。出会った人、出会えなかった人。もらったもの。あげたもの。行った場所、行けなかった場所。手に入れたもの、手に入れられなかったもの。 前年を頭に浮かべることで、今年のはじまり…

【要件/用件】編集の現場から

●基本的な意味要件:必要な条件用件:用事の内容 ・現状「用件」と書くべきところで、「要件」にしているミスが少なくない。うっかりミスの典型。 ・理由「要件」のほうには、たいせつな用事という意味もあるのですが、あまり出番はありません。法律的な用語…

【速攻/即行】編集の現場から

●基本的な意味速攻:相手の態勢がととのう前に、すばやく攻めること即行:すぐに行うこと ・現状「即行」をつかうべきところで「速攻」にしている例が目立つ。まかり通っている同音異義語ミスのひとつ。 ・理由書きことばとして、実際「即行」をつかうべきケ…

【懸命/賢明】編集の現場から

●基本的な意味懸命:力のかぎり賢明:かしこく問題に対処できるようす ・現状似たような意味ではないので間違えそうもない気がするが、よく目にする。「懸命に〜する」のときはあまり問題ない。気をつけたいのは「〜するのは賢明だ」を「〜するのは懸命だ」…

【上げる/挙げる】編集の現場から

・現状「上げる」を「挙げる」にしているケースがよくある。ほとんどが手をアゲル場合。うっかりミスのひとつです。 手を上げる(一般的)手を挙げる(限定的:挙手に類する、自分の意思をあらわすとき) とおぼえておくとよい。 ・理由易しい漢字だとノーマ…

【耳触り/耳障り】編集の現場から

●基本的な意味耳触り:聞いた感じ、印象耳障り:聞いて不快に思うようす ・現状このふたつ、「耳触りのよい音楽」「耳障りな音」のように使い分ける著者が増えている印象があります。 ・理由昭和の書きものでは、この使い分けの事例はあまり見かけたことがな…

【叶う/適う】編集の現場から

●基本的な意味叶う:望んだことが実現する適う:あてはまる ・現状「適う」とすべきところ、「叶う」がつかわれていることがよくある。 ・理由つかわれる機会は多いのに、「適う」の存在感がうすい。字画が少ない「叶う」にひっぱられてしまうのかもしれない…

【撥ね返す/跳ね返る】編集の現場から

●基本的な意味跳ね返る:反動で、元のところにもどってくる撥ね返す:押しもどす。つきかえす ・現状「〜を跳ね返す」という使い方を普通に見かける。微妙なケースもあり、うまく使い分けている人が少ない印象。 ・理由PCで「はねかえす」と入力して、「撥ね…

【望む/臨む】編集の現場から

・現状これから起こる、これから始まるというイメージでこの2つは共通するところがある。世間的に「臨む」の存在感がうすい印象がある。編集の現場では、「望む」を「臨む」に直す場面が多い。 ・理由「望む」の意味に意志がふくまれているからか、「臨む」…

2014年の本屋大賞、受賞作が決定!

大賞 『村上海賊の娘』上・下 和田竜/著 新潮社

【恐れ/虞】編集の現場から

●基本的な意味恐れ:こわいと感じること虞:良くないことがおきる可能性。心配 ・現状「オソレ」を可能性の意味で漢字をつかうときは、正確には「虞」とするべきである。しかし昨今あまり見かけない。「虞」の意味で、「恐れ」と書くことが常態化している。…

【捕まえる/掴まえる】編集の現場から

●基本的な意味捕まえる:手で押さえ、逃げないようにする掴まえる:手でしっかりと持つ ・現状「掴む」のときではなく、「掴まえる」のときに混同するのがポイント。「掴まえる」と書くべきところで「捕まえる」になっていることが多い。 ▼例文掴まえる:相…

【別れる/分かれる】編集の現場から

●基本的な意味別れる:一緒にいた人がはなれる、会わなくなる分かれる:一つだったものが別々になる ・現状「別れる/分かれる」での間違いの見過ごしは、実際は「別れた/分かれた」「別れて/分かれて」のかたちで発生しやすい。その中でもよくあるのは、…

【関わらず/拘らず】編集の現場から

●基本的な意味関わらず:関係なしに拘らず:悪い条件やあらかじめの行為があるのに反して(〜なのにそれでも) ・現状拘らずの意味で、「〜にも関わらず」「〜に関わらず」という表現を、さまざまなメディアでよく目にする。わたしのなかで、本来は正しくな…

【自任/自認】編集の現場から

●基本的な意味自任:自分にはそれがふさわしいと思うこと自認:自分がした行為を、自分自身で認めること ・現状「自任している」(自任=自分がふさわしいと思う、自負している)と書くところを、「自認している」としているケースがとても多い。自認は、事…

【弥が上にも/否が応でも】編集の現場から

●基本的な意味弥が上にも:(前からあるものに)加えて、さらにその上に否が応でも:自分の意思とは関係なく ・現状なんとなく語感が似ているというだけのこのふたつ。しかし「弥が上にも」=(さらに、ますます)の意味でつかうときに、「否が応でも」と書…

ブログ開設の宣言

You can lead a horse to water, but you can't make him drink. 馬を水辺まで連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない。 この格言の教訓はなにか?と聞かれたら、以前なら「自分のやれる限界をわきまえなさい、ということだろう」と答えただ…